不動産投資を呼び出そう!
物件そのものの調査とあわせて,物件の周りの状況も調査しなければなりません。
静かな住宅地なのか,商売に向く地域なのか,工場を建てても近所から苦情が出ないかなど,自分の利用目的に応じて調べる必要があります。
土地はその利用の仕方から見ると,地域的なまとまりを持っており,そのまとまりのなかではよく似た使い方がされる傾向があります。
したがって,その地域に共通している土地の使い方と異なった使い方は,周囲から苦情が起こり摩擦が生しがちです。
極端な例ですが,住宅地や店舗地としての使い方が普通である地域の上地を取得して,騒音や悪臭の出る工場をつくるといったことは,避けるべきです。
なお,実地に物件や周囲の状況を見る際には,できれば経験や知識のあるその道のベテランに同行してもらい,意見を聞きましょう。
自分の独断で判断を誤ったり,判断に迷ったりしないようにするためです。
これまで述べたのは,取引しようとする土地物件に即した実地の調査です。
この調査と同時に,法令上の条件についても確かめる必要があります。
法令上の条件にはいろいろありますが,主なものについて簡単に説明します。
土地の登記関係土地の登記簿について,所有者名,地番,地目,地積,抵当権設定の有無などを調べます。
これらについては,W章で詳しく解説します。
・国土利用計画法関係国土利用計画法は,土地の投機的取引や地価高騰を抑制するとともに,適正かつ合理的な上地利用の確保を図るため,土地取引について届出制を設けています。
一定面積(市街化区域で2,000mなど)以上の土地取引をしたときは,契約締結日から2週間以内に買主が届出をします。
かつては事前届出制でしたが,バブル崩壊で規制の必要性が薄れたことから,1998(平成10)年9月の法改正で原則として事後届出制となりました。
ただし,注視区域または監視区域においては,事前の届出が必要です。
都市計画法関係住宅地や商業地,工業地などの宅地の取引の場合,取引物件が都市計画法によって与えられている諸条件を十分に知っていなければなりません。
都市地域内に介在する農地の取引でも,やはり同じことが言えます。
調査すべき主要な点を簡単に説明します。
物件が市街化区域にあるか。
市街化調整区域にあるか。
非線引区域にあるか
市街化調整区域では,原則として開発行為が禁止されていて,一定の用途の建築物などのみが開発許可を受けることにより建築可能になります。
したがって,物件がどの区域内にあるかという調査は欠かせません。
物件が都市計画施設の区域内にあるかどうか。
市街地開発事業などの予定区域内にあるかどうか
たとえば,道路,公園などの都市施設が設けられることが,都市計画で決まっている区域のなかに物件がある場合や,物件の一部分がかかっている場合,その物件がある土地は建築上の制限があります。
これは,新住宅市街地開発事業などの実施が予定される区域内に物件がある場合も同様です。
したがって,そのような状況にある物件を購入することは,上地の利用上問題があるため,慎重に検討すべきでしょう。
物件がどの用途地域内にあるか
現在,用途地域は,第一種低層住居専用地域などの12種類があります。
それらの用途地域ごとに建物の用途などの制限があるほか,容積率や建ぺい率,建物の高さなどの制限も定められています。
取引しようとする物件の土地が,どの用途地域にあるかを確かめることが大切です。
たとえば,住宅併用でない店舗は,第一種低層住居専用地域では禁止されています。
また,料理店やキャバレーは,商業地域と準工業地域では認められますが,それ以外の用途地域では禁止になっています。
その他の地域・地区など
物件が高度地区や高度利用地区内にあるか,防火地域や準防火地域内にあるか,緑地保全地区内にあるか,風致地区内にあるかなどによって,利用上の制限が違ってきます。
宅地開発指導要綱
市町村のなかには,宅地開発指導要綱を作成しているところがあります。
その場合,その市町村内の土地の開発は,行政指導によって種々の規制が加えられます。
したがって,物件のある市町村が,このような要綱を作成しているかどうかを確かめる必要があります。
たとえば,かなり大規模な住宅団地の計画,大都市の都心部での事務所ビルの開発などのケースです。
農地法関係物件が農地である場合,農地法の適用があるかどうかを確かめる必要があります。
転用の許可を受けるなどの問題が起こるからです。
開発目的で購入しようとする場合は,あらかじめ許可が必要です。
森林法関係山林のなかには,森林法に基づいて保安林に指定されたものがあります。
保安林では立木の伐採や土石の採掘などが制限されます。
したがって,山林の取引をする場合には,保安林の指定状況に注意しなければなりません。
以上,土地物件の調査について,取引が売買である場合について述べました。
土地の賃貸借についても,これらに準じた考え方をしてよいでしょう。
建物物件の調査、不動産取引の仕組み不動産の取引は,上物付きである場合が少なくありません。
建売住宅や分譲マンションの購入,中古住宅や中古ビルの売買は,よく見られる取引です。
これらは,土地と建物との2種類の不動産をあわせた取引です。
ほかに住宅やオフィスを賃借する取引もありますが,ここでは主に建物を購入する取引を中心に見ていきます。
上物付きで取引する場合,その上物を購入後も引き続き使用するケースと,購人後に上物を取り壊して新しい方法で土地を利用するケースとに分けられます。
後者のケースは,上地取引の一種と考えればよいので,ここでは前者のケースだけを取り上げます。
上物である建物物件の調査は,土地物件の調査と同様に,建物そのものの実地の調査と法規的な条件の調査とがあります。
実地の調査は,必ず行わなければなりません。
実際に建物物件を見る場合,強いて言えば,物件の全体的な状況の調査と部分的な状況の調査とに分けられます。
全体的な状況とは,周囲の環境との適合の状況,敷地の使用方法としての良否,建物の設計,施工状態の良否,維持管理の状況,使用資材の品質などです。
また部分的な状況とは,建物の基礎,屋根,柱などの構造部,外壁,内壁,床,天井,建具,付帯設備の状況などです。
そして,これらの調査の結果から総合的に判断して,取引物件としての適否の結論を出さなければなりません。
このような物理的な調査は建築家などの専門家に依頼し,その意見を十分参考にして決めるというやり方がよいでしょう。
しかし,このように慎重に調査しても,建物の土台の腐朽などの欠陥が,取引後に判明するようなケースもないわけではありません。
そのような点を考慮して,売買契約は抜かりのないように作成しましょう。
次に,建物物件の調査で,法規的な条件に関するものを説明します。
建物の登記関係建物登記簿についての調査です。
調査の仕方などは,土地物件の場合と同様です。
なお,土地の登記とともに取り上げます。
建築基準法関係物件が建築基準法の諸規定に対して違反していないか,たとえば,容積率,建ぺい率,建物の高さやその他の点で適法な状況にあるかのチェックをすることが必要です。
多くの場建ぺい率と容積率建ぺい率とは,建築面積(ほぼ1階の床面積に相当します)の敷地面積に対する割合(建築面積÷敷地面積)を言います。
周囲の建築物との平面的な空間を確保するための規制で,都市計画により建ぺい率制限が定められています。
そこまで不動産投資の文章を作れるようになれば、不動産投資の説明的文章に関する力は、かなりのレベルに達したと言えるでしょう。
とても関心の高い不動産投資の歴史と今後、不動産投資が発展していく道を予想します。
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